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【フランス語うんちく】フォザミについて【初級〜中級】

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「フォザミ」ってなに?


こんにちは。たじまです。

みなさん、「フォザミ」って聞いたことありますか?

フランス語で「faux-ami」と書くのですが、「faux」は「見せかけだけの」という形容詞、「ami」は「友達」ということで、字義通りにいえば「見せかけだけのともだち」。

たとえば、英語とフランス語で、文字面はほとんど同じなのに意味がぜんぜんちがーう! そういうペアの言葉を「フォザミ」といいます。ウィキペディアには「空似言葉」と書かれていますが、クイズ番組でよく見かけるのは、中国語の「手紙」が、日本語でいう「トイレットペーパー」を意味する、ということですね。

このページでは、知っておいて損はない、英語とフランス語の「フォザミ」ベスト7を発表したいと思います!

第1位 Poste(郵便局)とPost(郵便)

 フランス語で郵便局は「La Poste」といいます。日本の郵便局にも書いてあるように、英語で郵便局は「post office」と言わなければならず、「post」だけだと郵便物、場合によっては郵便業務全般のことを指します。

(ただし、アメリカ英語では「post office」の略称で「post」を使うこともあります。イギリス英語では「post」といえば、日本語と同じように郵便箱を指します。)

「今日、たくさん郵便物が届きました」は、英語では「Today I got a lot of post.」ですが、フランス語では、

  Aujourd’hui, j’ai reçu beaucoup de courrier.

のように、フランス語では「courrier」を使わなければならず、ここで「poste」は使うことができません。

「これからポストに郵便物を出しに行く」は、英語では「I am going to take a letter to the mailbox.」ですが、フランス語では、

    Je vais apporter une lettre à la boîte aux lettres.

のように「la boîte aux lettres(郵便ポスト)」を使わなければなりません。

逆に、フランス語で「これから郵便局に行くんだ」であれば、「Je vais à la poste.」ですが、英語では

  I’m going to the post office.

と「office」をつけるのがもともとの表現です。

つまり、フランス語の「poste」は、〈建物や業務としての郵便局〉のことをいいます。「poste」に関する基本表現としては、次のようなものがありますね。

un bureau de poste(郵便局)

la grande poste(中央郵便局)

la banque postale(バンク・ポスタル=日本の「ゆうちょ銀行」)

un(e) employé(e) des postes / un receveur des postes(郵便局員)

une guichet de poste(郵便局窓口)

un cachet de la poste(消印)

un grève de la Poste(郵便局のストライキ)

ministère des Postes(郵便省)

coller la timbre sur une enveloppe(封筒に切手を貼る)

mettre une lettre(手紙を投函する)

envoyer un colis(小包を送る)

第2位 fac(大学)とfack(放送禁止用語)

 セドリック・クラピッシュ監督の「スパニッシュ・アパートメント」という留学生の共同生活を描いた青春映画があるのですが、そこでイギリス人女子が、主人公のフランス人青年・グザヴィエの母親からの電話をとってしまって、わけのわからないフランス語で「ファック」と言われて、衝撃を受けるシーンがあります。

 もちろんこれは笑い話で、すぐに誤解も溶けるのですが、英語でのフォー・レター・ワーズは、なかなか下品な言葉ですから、ここでその意味を書くことはやめておきましょう。

 スペルは違いますが、フランス語でのファック=「la fac」は「大学」のことを指します。「la faculté」の略ですね。まあ、スペルも語源も違うので、これは本当は「フォザミ」とは呼ばないのですが、ここではまとめて書いておいちゃいます。

   Tu es allé à la fac, non ?(大学行ったんじゃなかったの?)

 フランス人にいきなり「fac」と言われても、びっくりしないようにしましょう! ちなみにもっとも一般的には、フランス語でも大学は「l’université」です。

第3位 actuellement(いま、目下)とactually(でも実際は、実は)

英語の会話ではよく「actually」を使いますよね。

  I am actually 30 years old. (実はわたし、30歳なんです)

他にも「マジで」と強調したり、「やっぱり」と意見を変えたりするときにも使える英語の「actually」ですが、フランス語の「actuellement」は、それほどヴァリエーションのある言葉ではありません。端的に「いま」という時間を指し示すことばのひとつです。英語の「currently」ですね。

  Ma voiture est actuellement en panne.(車がいま故障中なんだ)

 もしあなたが英会話に堪能で、フランス語を勉強している場合には、「actuellement」の出番はそう多くないはずです。フランス語で「実際は」「実は」という含みをもたせたいときには、「en fait」「en réalité」などの副詞句を使います。

  J’ai en fait 30 ans.(実はわたし、30歳なんです)

第4位 supporter(我慢する)とsupport(サポートする)

 日本語の「サポートする」は、英語から来たものなので、これは日本語とフランス語の「フォザミ」でもありますね。フランス語の「supporter」に「サポートする」という意味合いはなく、そのときには「soutenir」を使わなければなりません。

たとえば、「家族をサポートするために必死に働きました」は、英語では「I worked very hard to support my familly.」ですが、フランス語では、

  J’ai travaillé très dur pour soutenir ma famille.

と言わなければなりません。よくよく考えてみると、どちらも「支える」という意味が根っこにあるのですが、フランス語の「supporter」は、〈もう支えるのがたいへん〉という限界的なニュアンスが強い言葉だということですね。

  Je ne supporte plus !(もう我慢できない!)

英語でいうならば、「I can’t stand it anymore!」や「I can’t bear it anymore!」というところ、フランス語ではこのように動詞「supporter」を使います。

第5位 licence(学士号)とlicence(免許)

日本語でも「ライセンス」はさまざまな免許のことを指す言葉ですが、フランス語でもスポーツの「ランセンス」のことを意味します。ただしもともとは、「licence」といえば、大学の学士号のことで、車の免許のことは示すことができません。

「彼女は(車の)免許をもっていない」は、英語では「She doesn’t have a (car) license.」ですが、フランス語では、

  Elle n’a pas de permis (de conduire).

となりますね。「le permis (de conduire)」が「(車の)免許証」。二輪免許は「le permis motos」です。「passer le permis」で「運転免許試験を受ける」、「être reçu au permis」で「運転免許試験に受かる」です。ちなみに、免停は、「la suspension du permis」。

第6位 sensible(感じやすい)とsensible(分別のある)

英語でもフランス語でも「sense」には、いろいろな意味がありますが、フランス語の「sensible」は「感じる+可能」で、「感覚が鋭敏な」「感受性の強い」という意味になります。一方で、英語の「sensible」は「判断力」の意味合いが強く、「賢明な、分別のある」という意味になります。

英語で「sensible clothes」といえば、TPOをふまえた「ふさわしい服装」という意味ですが、フランス語では「une tenue convenable」といったりします。もし「une tenue sensible」といったら、「感じやすい服??」

なお、フランス語で「賢明な」「分別のある」という意味合いを足したいときには、「raisonnable」や「logique」のような形容詞を使うことになります。

C’est une solution raisonnable qui satisfera tout le monde.(それは全員を満足させる賢明な解決策だろう)

この文章は英語であれば、「It’s a sensible solution that will satisfy everyone.」と言えてしまうところですね。

第7位 réellement(現実に)とReally?(本当に?)

  いよいよ最後です。英語ではよく「really?」と聞き返しますよね。このようなシチュエーションでは、フランス語の「réellement」は使えません。本当かどうか聞き返したいときには、「Vraiment?」や「C’est vrai?」、あるいはもっとシンプルに「Ah bon?」と聞き返します。

 「ほんと? わたし福岡に住んでたんですよ!」というとき、英語では「Really? I lived in Fukuoka !」と言いますが、フランス語では次のようになります。

  C’est vrai? J’ai vécu à Fukuoka!

ただし、形容詞の働きを強める「really」のような働きは、フランス語の「réellement」にもありますので、これは交換可能です。

  I am really sorry.(本当にごめんなさい)

  Je suis réellement désolé.

また、「本当に=実際に」という場合も、交換可能です。

  It really happened.(それは本当に起こったことです)

  Cela s’est passé réellement.

まとめ

 みなさん、英語とフランス語の「フォザミ」は、いかがでしたでしょうか? まとめて知っておくと、フランス語の勉強の楽しみにもなりますね。ほかにもいろいろありますので、ぜひ皆さんも探してみて下さい!

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