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【動詞】「rendre」を使いこなす!【中級〜上級】

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【動詞】「rendre」を使いこなす!【中級〜上級】


ボンジュール、たじまです。

みなさん、rendreという動詞の使い方、いろいろありますけど、しっかり覚えていますか? この動詞、初級では「rendre un livre(本を返す)」と使役の「rendre」くらいでオーケーですが、ほかにもいろいろな使い方をします。

熟語表現としての「rendre」がどのくらい頭に入っているか、ぜひこの記事でチェックしてみてください!

基本動詞「rendre」のコアイメージは、〈出す・発する〉です。言葉などであれば、〈表現する・翻訳する・表明する〉という意味合いが出てきます。そこに宛先(à)がプラスされると、〈戻す・返す〉という意味が出てきます。また、「rendre A B」のように属詞をとると、〈A=Bの状態で出す〉というところから「AをBにする」という使役の意味合いも出てきます。

rendre+形容詞=faire devenir(〜にする)

まずは基本からです。これはいまいったとおり、「AをB(状態)にする」という意味が出てきます。

  Ça me rend triste pour plusieurs raisons.(そんなことされたらいろんな理由で悲しくなっちゃうよ)

  Ça coûte cher de la traiter pour la rendre portable.(それを持ち運び可能にするには、高くつくよ)

このようなかたちは、rendreのあとの目的語のうしろに「形容詞」が出てくるので、見た目ですぐに意味がわかる仕掛けになっています。

rendre service=aider(助ける)

serviceに冠詞がないので熟語ですが、「rendre」の基本的な意味は「出す」でした。「serviceを出す」ということは、何かをしてあげる、ということです。

  Ses voisins lui ont rendu service quand il était malade.(近所の人たちは、彼が病気のときに世話をしてあげた)

文脈によっては「役に立つ」「貢献する」のような日本語のほうがぴったりハマることもありますね。

rendre justice à = reconnaître les qualités de (〜を評価する)

  Même si vous ne l’aimez pas, il faut lui rendre justice, il a fait un très bon travail.(仮に彼のことが好きじゃなくても、評価すべきだよ、いい仕事しているんだから)

この「rendre」も(まだremettreの意味になりきれていない)「donner」ですね。「justice」を出す、というところから、「正しく評価する」という意味になります。

rendre l’âme=mourir(死ぬ)

この「rendre」も〈出す〉ですね。魂を「出し」たら、死にます。

  Maman a rendu l’âme hier soir à dix-huit heures.(お母さんは昨日の18時に亡くなりました)

rendre les armes=capituler(降伏する)

この「rendre」は「手放す」という感じですね。「武器を手放す=降伏する」という意味になります。ちなみに、代名動詞のse rendreにも「降伏する」という意味があるので、以下のように言い換えることも可能です。

  L’armée adverse a rendu les armes.
  =L’armée adverse s’est rendu.(敵軍は降伏した)

rendre compte de=rapporter une information(報告する)

ここでの「rendre」も「出す」ですが、「compte」は「計算・会計(カウント)」です。そこからのメタファーで、会計に限らず、何か情報を伝えることを示す熟語です。「faire un compte rendu」は、ここから生まれた表現ですね。

  Le directeur souhaite que ses employés lui rendent compte de leur déplacements professionnels.
  =Le directeur souhaite que ses employés lui fassent un compte rendu de leur déplacements professionnels.
(社長は、出張にともなう出張については社員に報告してほしいと思っている)

se rendre compte = comprendre, réaliser(理解する、わかる)

これはよく使いますね。これは誰かに報告するのではなく、自分のカウントに入れておく、ということです。

  Lorsqu’il est entré dans la salle, nous nous somme tous rendu compte qu‘il avait trop bu.(彼が部屋に入ってきたとき、すでに出来上がっているとわたしたちは気づいた)

rendre grâce=remercier(感謝する)

英語のgracefulに見られるように、フランス語の「grâce」にも「感謝」という意味合いがあります。もともとは神から人間への「恩寵」ですが。「恩寵=感謝」を出すということで、感謝するという意味に。

  Je rends grâce à tous mes amis de m’avoir soutenu dans cette si dure épreuve.(こんなにつらいときに支えてくれた友人みんなに感謝を捧げます)

rendre hommage à = énoncer publiquement la considération que l’on a pour(〜に敬意を表する)

これも定型表現ですね。「hommage」は「賛辞」や「尊敬の念」のこと。それを〈出す〉わけですから、こんな意味になります。

  Puisqu’il nous quitte aujourd’hui, je tiens à rendre hommage à M.Tanaka qui a toujours été un employé modèle.(今日われわれの元を離れることになる田中氏に賛辞を送りましょう、彼はいつだって模範的な社員でしたから)

rendre à〜 la monnaie de sa pièce = se venger(復讐する)

この「rendre」は〈返す〉の意味合いですね。借り(た金)を返す、みたいなことで、皮肉まじりに「復讐する」という意味合いになります。「lui rendre la pareille(同じものを返す=お返しをする)」という表現もありますね。

  La pièce était rendue.(借りは返せたね)

逆の意味で、施しをした人に「神様が100倍にしてお返しをしてくれるでしょう」というときには、こんなふうにいえます。

  Dieu vous le rendra au centuple.(神の御加護がありますよ)

se rendre à l’évidence = céder face à une vérité objective(客観的な真実に屈する)

一般的には「se rendre à〜」は「行く」という意味ですが、場所でない場合には「従う」というような意味が出てきます。自分が何か能動的にする、というよりは、ある状態にならざるをえない、というニュアンスの強い動詞なんですよね、この「rendre」は。「どう考えても無理だよね」くらいの意味でも使います。

  Nous voulions aller à la plage, mais il faut nous rendre à l’évidence. (海に行きたかったけどさ、どう考えても無理だよね)

Ça rend bien.=ça produit un très bel effet.(いい効果を生む)

Tu restes tranquille là sans sortir, ça rend très bien.(外出しないでじっとしてなよ、いい効果が出るよ)

le rendre bien=(r)apporter autant qu’on lui donne (与えたぶんだけ返してくれる)

ここでの「le」は、直前に出てきた名詞を指し示すわけではなく、「自分が与えたもの」を指しますので注意。

 J’aime mon mari, qui me le rend bien. (わたしは夫を愛してますし、そのぶん夫もそうしてくれます)

まとめ

 みなさん、フランス語の基本動詞「rendre」の熟語表現のポイントは、つかめましたでしょうか? それほど難しいわけではないので、しっかりと〈出す〉というところをおさえながら、いろいろと使ってみてくださいね!

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